卒業生のホームカミングデーへの参加率を上げ、大学への帰属意識を高めていくことはどの大学にとっても重要な目標でしょう。ホームカミングデーの最終的なゴールは参加者の愛校心を育むことであり、母校が卒業生にとってのメリットを与えられなければ卒業生は振り向いてくれません。そのゴールを達成するためには、卒業生にとって魅力的に映るコンテンツが必要です。そこで今回は、ホームカミングデー運営・コンテンツ作りの参考として、2022年度ホームカミングデーの開催状況データと、ユニークな企画を行った大学の事例をご紹介します!有名大学の事例や、その大学ならではのコンテンツも取りあげますが、コンテンツ作りの方法論としてはどの大学でも実現可能だと思います。ご参考となれば幸いです。<目次>2021年度ホームカミングデーの統計・傾向分析結果はこちら ↓>2021年度ホームカミングデー統計データを公開!トレンド企画と今後の動向について解説します1. 2022年度ホームカミングデー各種統計前年度2021年では、対面型・オンライン型とのハイブリッド開催が数を伸ばしたり、ノウハウの蓄積から生配信のコンテンツが多くみられました。2022年度ではどのような動向だったのか、さまざまな切り口から分析していきます。※調査対象:学生数5,000人以上の国公立・私立大学154校1-1. 開催大学数比較コロナ禍が始まった19年度の開催数にはまだ届かないながらも、増加の傾向は22年度も同様の結果となりました。この結果の要因としては、世間でも対面型のイベントが戻ってきていることや、オンライン開催のノウハウの蓄積が影響していると考えられます。この傾向から、23年度には19年度の水準まで開催数が回復する可能性も見込めます。1-2. 開催形式比較21年度と比べ、オンラインのみでの開催は約4分の1に減少しました。反面、対面型とハイブリッド型での開催が数を伸ばしており、withコロナ時代のホームカミングデー到来を感じさせる結果となりました。1-3. オンライン開催での配信形態比較概観では生配信・オンデマンド併用の割合は数を減らし、生配信かオンデマンドどちらかのみでの開催が数を伸ばしました。生配信のみでの割合が高くなっていますが、22年度でも対面での開催が数を伸ばした結果から、オンデマンド企画を作るよりも、コストの面を考慮し、対面型イベントの様子を生配信する配信形態が数を伸ばしたのではないかと考えられます。また、対面型・ハイブリッド型での開催を選ぶ大学が増えている中で、オンライン開催の中でも「オンデマンドのみ」での開催も数を伸ばしており、コンテンツ作りのノウハウの蓄積や、オンデマンド開催のメリットを感じている大学が増えていることを感じさせます。1-4. 使用オンラインツール比較21年度ではオンライン開催にあたって実験的な側面もあったためか、多様なオンラインツールが使用されていましたが、22年度ではYouTubeとZoomに集約されるような結果となりました。YouTubeとZoomで全体の7割ほどを占め、これからもこの傾向は続いていくでしょう。1-5. 企画コンテンツ比較依然として企画コンテンツの面では、講演・キャンパスツアーの数が多いものの、22年度ではさまざまな企画が数を伸ばしています。特に、「出店」「展示」「音楽演奏」「サークル・部活動発表」「交流会」など、コロナ禍以前に積極的に行われてきた企画コンテンツが徐々に戻ってきているように見受けられます。反面、新型コロナウイルス関連のテーマを扱った「コロナ企画」は数を減らしており、トレンドの移り変わりを感じさせる結果となりました。2. ユニークな企画を実施した大学事例紹介各校の特色が出るエンタメ企画ですが、企画としての方法論を参考にできる大学の事例をご紹介します。2-1. 九州大学 | チャレンジ&クリエイションhttps://kikin.kyushu-u.ac.jp/academic_festival/event/index.php?cId=476#476この企画は在学生が自ら企画した活動・研究を大学側が助成するコンペ企画です。在学生考案の活動・研究企画を募集し、新規性や社会に対するインパクトを基準に審査、採択された活動には九州大学基金から上限50万円の資金提供をし、1年後の成果報告で再度審査し、優秀チームを表彰するというものです。九州大学のホームカミングデーではこの企画の中間発表会を行っており、卒業生も巻き込める形になっています。在学生の頃から卒業生の発表会に参加させてもらえるだけなく、ホームカミングデーにイベントの日程を合わせることで、卒業生には在学生の姿を見てもらい、当時のことを思い出してもらうきっかけにもなるでしょう。2-2. 筑波大学 | Youは何しに筑波へ?/ 宿舎、ついて行ってイイですか?%3Cdiv%20style%3D%22display%3A%20flex%3B%20justify-content%3A%20center%3B%22%3E%3Ciframe%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FID8r14jwM94%3Fstart%3D1163%22%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20frameborder%3D%220%22%20allowfullscreen%3D%22allowfullscreen%22%3E%3C%2Fiframe%3E%3C%2Fdiv%3Eこちらはテレビ番組のパロディ企画で、さまざまな在学生たちの生活を感じられるコンテンツです。「Youは何しに筑波へ?」では留学生たちに密着し、「宿舎、ついて行ってイイですか?」では、在学生が生活を送っている宿舎に着目し、その活用法を発信しています。洗練されたテレビ番組のフォーマットを活用して、親しみやすい映像に仕上げるだけでなく、在学生や宿舎に着目することで、卒業生に大学生活のことを思い出してもらうきっかけ作りになる企画です。2-3. 東北大学 | 国際祭りhttps://hcd115.shuyukai-tohoku-u.net/さまざまな国から通っている留学生との異文化交流に焦点を当てた企画で、各国の料理が楽しめる出店や、伝統衣装のファッションショーなどが行われています。大学内では留学生同士で交流をする場面が多くなりがちですが、こういった企画をきっかけに日本の学生・大学と関わってもらうことによって、留学生の大学への帰属意識を高めると同時に、大学のグローバル化への対応を対外的に押し出すことができる企画です。2-4. 東京大学 | いま地方がおもしろい!東京大学OB・OG市長たちのPRhttps://www.u-tokyo.ac.jp/adm/hcd/event/2022event00040.htmlさまざまな地域で市長として活躍する卒業生を集めて、地方の魅力をアピールしたり、フリートークをしてもらう企画です。現役市長を多数集めるのは難しいですが、地方の代表を集めてトークをしてもらうという企画は、少し見方を変えればほかの大学や校友会でも実現できるのではないでしょうか。校友会の地方支部に焦点を当てて、地方支部の魅力や加入のメリット・活動内容を語ってもらうなど、校友会と絡めることができれば、活動内容や魅力を発信できる場になるため視聴者に校友会の存在を知ってもらう機会作りも可能です。2-5. 東京大学 | 東大卒 Z世代・ミレニアル世代女性のしなやかな生き方https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/hcd/event/2022event00042.htmlさまざまな分野で活躍する女性卒業生による鼎談形式の講演会です。特筆すべきは、Z世代と称される若手卒業生も登壇していることで、ベテラン層が多くなりがちな講演会企画では珍しい事例ではないでしょうか。若手卒業生にも積極的に登壇してもらうことによって、同世代の卒業生たちにとっても親近感を持ちやすく、「自分のキャリアにとって何か参考になることが聴けるかもしれない」と講演会に対してメリットを感じてもらえやすくなります。2-6. 早稲田大学 | 思い出の早稲田メシ総選挙~早稲田大学卒業生が選んだ思い出の店ランキング~%3Cdiv%20style%3D%22display%3A%20flex%3B%20justify-content%3A%20center%3B%22%3E%3Ciframe%20width%3D%22679%22%20height%3D%22382%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FeOBtte-yPV4%22%20title%3D%222022%E5%B9%B4%E7%A8%B2%E9%96%80%E7%A5%AD%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%80%8C%E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0%E6%95%A3%E6%AD%A9%E3%80%8D%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%E3%81%AE%E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%82%92%E8%A8%AA%E3%81%AD%E3%82%8B%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E%3C%2Fdiv%3E学生時代に慣れ親しんだ思い出の飲食店を紹介する企画です。お店の紹介だけでなく、お店の方に動画に出演してもらったり、お店に対する卒業生からのコメント紹介、在学生の昼休みの過ごし方なども紹介しています。「卒業生にお店を選んでもらう」という部分から、学生生活を思い出してもらうきっかけになるだけでなく、生活に欠かせない食の分野であり、どの大学においても再現性のある企画でしょう。3. 他大学にない新しい取り組みを行った大学事例紹介22年度の各校のホームカミングデーでも、新規性を持ったユニークな企画が誕生しました。本稿ではその取り組みについて、詳しく取りあげていきます。3-1. 武蔵野大学https://www.mu-alumni.jp/alumni/6092/武蔵野大学では教育学部の卒業生を対象に、リカレント教育とホームカミングデーを融合させた企画を行いました。特筆すべきは、近年注目されているリカレント教育とホームカミングデーを組み合わせることで、卒業生に参加するメリットを感じてもらいやすい点です。教員として現場の第一線で活躍している卒業生を対象に、関心のあること・学びたいことを事前にアンケート調査し、その結果に基づいて恩師に講義をしてもらうという企画です。教育学部らしい時間割を組んだ企画という独自性だけでなく、母校に戻り、恩師の講義を改めて受けることで、愛校心の醸成にも繋がるのではないでしょうか。3-2. 三重大学https://www.mieu-hcd2022.jp/22年度に初めてホームカミングデイを開催した三重大学は、特設サイト上に「卒業生と在学生の座談会」「研究者講話」「キャンパスツアー」「卒業生インタビュー」などのデジタルコンテンツを公開しました。企画・制作は三重大学発ベンチャー企業「株式会社プロジェクトM」が担当し、ホームカミングデイ主催の三重大学全学同窓会から発注を受ける形で制作を行いました。株式会社プロジェクトMは、社員のほとんどが三重大学の在学生で構成されており、Webページ制作やアプリ・システム開発などさまざまな事業を展開しています。ホームカミングデイの各コンテンツも学生主導とは思えないほどのクオリティに仕上がっており、在学生の力を実感させられます。在学生にとって、ホームカミングデイという大きな舞台で自分たちのスキルを試す機会は貴重な経験になるでしょう。大学・同窓会側の視点から見ても、在学時に同窓会の存在や活動について認知してもらうきっかけにもなり、学生主導のホームカミングデイという建付けは双方にとってメリットのある企画といえます。3-3. 千葉商科大学https://cuc-hcd.com/千葉商科大学のホームカミングデーで特筆すべきは、親しみやすい特設サイトの作りや、コンテンツの構成です。ホームカミングデーの特設サイトでは、頭の方に学長など重役の方からのコメントが掲載されている例なども多く、大学としてのメッセージを最初に伝えられる反面、堅苦しいイメージを持たれてしまう可能性もあります。一方、千葉商科大学は理事長・学長の挨拶をサイトの下部に、企画詳細や動画コンテンツなどをサイトの上部に掲載している構成で、分かりやすく、サイト訪問者に親しみやすさを感じさせるサイト設計にしています。さらに、卒業生向け公式LINEへの誘導も特設サイト内で行っており、ホームカミングデーをきっかけにダイレクトメール以外の「手段」と、情報発信できる「卒業生のリスト」の確保にも試みています。また、在学生が開発した商品の試食・受注会も大きくアピールしているサイト構成も特徴です。もともと千葉商科大学は、在学生が経営する学生ベンチャー食堂を運営したり、千葉県のスポーツチームと連携して大学プロデュースのイベントを行うなど、学生の活動を積極的に後押ししています。ホームカミングデーにも在学生がプロデュースした商品を目立たせている設計は、在学生が活発に取り組みを行っている千葉商科大学の色をよく表している企画といえるでしょう。4. オンライン・ハイブリッドの開催方法は今後どうなるか開催形式のデータからも分かるように、22年度は多くの大学が「母校に帰ってきてもらう」という本来のホームカミングデーの目的に立ち返り、対面型の開催方法を選択しました。23年度はオンライン開催の比率がさらに低下し、その分ハイブリッド開催・対面開催が増加することが予想されます。それではコロナ禍以後、存在感を増してきた「オンライン」という開催手段は、今後どのように進化していくのでしょうか。4-1. どの部分でオンラインを活用していくべきなのかさまざまな企画・コンテンツが存在する中で、対面開催が適しているもの、オンライン開催が適しているものなど、コンテンツの特性によって分類することができます。その一例をご紹介します。「対面」が適しているコンテンツ出店や展示、キャンパスツアーなど従来行ってきた企画サークル・部活動など学生の発表 (ステージ企画)人気教授やゼミの先生による講義企画家族で参加できるような子供向け体験プログラムこれらのコンテンツは対面で体感してもらうことに意義があるコンテンツであることから、対面で行えるのであれば対面で行うべきコンテンツといえるでしょう。「オンライン」が適しているコンテンツ講演・対談企画SNSの「# (ハッシュタグ)」を使った抽選企画事前投票企画交流会・懇親会コロナ禍以前では基本的に対面で行っていた講演・対談企画においても、遠方・海外在住の登壇者を呼びやすいオンライン開催とは相性が良く、話題性のあるテーマや著名人を起用できれば、対面開催よりも多くの参加者を獲得できる可能性が見込めます。SNSや事前投票など、企画段階からオンラインツールを利用したものはオンライン開催が適しており、先述した早稲田大学の事例でも事前にコメント等を募集することによって、より良いオンラインコンテンツを作成しています。交流会・懇親会についても、対面で開催できるのであればそれに越したことはありませんが、子育て・キャリア相談などの特定のテーマ、学科ごとなど小規模のコミュニティによる交流会を企画する場合は、依然としてオンライン開催の方が相性はよいでしょう。4-2. ハイブリッドで開催する目的の明確化ハイブリッド開催は特設サイトや動画作成などが必要になるため、基本的に対面開催よりも開催コストが高くなります。そのため、先述のように企画の内容によってどのように開催するのが最適か吟味するべきでしょう。「遠方の卒業生にも参加してもらいたい」「ホームカミングデー当日の様子をアーカイブとしていつでも観られるように残しておきたい」などの目的がある場合は、ハイブリッドで開催するべきといえます。4-3. オンラインと対面、どちらをメインに据えるかリソースの幅によって、オンラインと対面の比重を変えられる点もハイブリッド開催において重要です。オンライン開催はコストがかかることは先述の通りですが、対面開催と組み合わせることでコストを軽減することも可能です。講演会企画を例に挙げると、リソースの潤沢な校友会の場合、生配信用のページや当日に向けた事前準備を行えますが、リソースの少ない場合はそうもいかないでしょう。ですが、対面開催に比重を置いたハイブリッド開催にすることによって、リソースの問題をある程度解決できます。講演会企画の中で質疑応答などの双方向のコミュニケーションを計る場面もあるかと予想されますが、質疑応答は当日会場に来場してくれた参加者にやってもらい、その様子を収録した映像を後日アーカイブ配信という形で残しておきます。このように、対面開催をメインに据えていれば、双方向のコミュニケーションの部分は限定されてしまうものの、当日参加できなかった卒業生にもコンテンツを届けることができます。つまり、オンラインコンテンツを充実させるリソースがない場合でも、対面開催との組み合わせ方によっては、少ない予算で、かつハイブリッド開催の利点である遠方の卒業生にコンテンツを届けることが可能となるのです。4-4. 収録配信か、生配信かホームカミングデーにおけるオンラインコンテンツの形として、収録配信と生配信でそれぞれメリット・デメリットが存在します。それぞれの特徴をよく理解し、最適な方法と準備を行いましょう。収録配信当日に向けて事前に動画を作り込んでおける点がメリットですが、登壇者と参加者、参加者同士などで行われる双方向のコミュニケーションが難しいというデメリットがあります。このような特徴を持つ収録配信の場合、視聴可能期間を限定する・コンテンツの中身や映像、サムネイルのクオリティを上げるなど、事前準備によっていかに「見なきゃ損!」と卒業生に思ってもらえるようなコンテンツ作りができるかが重要です。生配信双方向のコミュニケーションを取れる形式にしやすいというメリットがある一方、実際には参加者が臨場感を持って参加できる企画や仕組み作りを設計するのが難しいという課題があります。視聴者の「置いてけぼり感」を少しでも解消するためには、配信に出ている登壇者に積極的にコメントを読み上げてもらう、投げ銭機能の付与など、リアルタイムで企画に参加している意識を強く持てる仕組みを用意する必要があるでしょう。リアルタイムでのリアクションという部分では、学生チームの発表企画や、スポーツ企画であれば司会役を軸にして実現性があるのではないでしょうか。スポーツ分野では、特定のチームにリアルタイムで応援・寄付ができるツールや、部活チームごとにファンとの交流をスレッド上で行えるサービスもリリースされています。https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2022/10/25/6342.htmlこのようなサービスを活用した生配信企画は、これまでになかった大学ファンに対するアプローチ方法として面白いのではないでしょうか。併せて、収録配信・生配信共に、SNSなどを使った広報・登壇者が持つネットワークを利用した告知など、事前に多くの人に認知を拡大させていくことも重要になります。5. ハイブリッド開催の大学事例紹介対面で参加してくれていた従来の参加者層に加えて、遠方在住の卒業生や、家を出て母校に向かうほどのモチベーション (帰属意識) がまだない卒業生にも参加してもらいやすいハイブリッド型のホームカミングデーがコロナ禍以降に主流化してきました。PC、スマホによるオンライン参加という門戸を開くことで、若手卒業生の取り込みを図る企画も多くなっています。そんな中で、22年度に開催されたハイブリッド型ホームカミングデーの中で、多数の参加者数を獲得し、なお且つ独創的な企画を行った事例をご紹介していきます!5-1. 桜美林大学https://jfo-sakura100.comワークショップやフリーマーケット、講演会など多数の対面企画を行い、そのほとんどを並行してライブ配信した桜美林大学の事例は、ハイブリッド型開催の良さを引き出している事例といえるでしょう。在学生のプレゼン企画や若手卒業生を中心としたパネルトーク、若者に人気のロックバンドの卒業生メンバーに出演してもらうなど、若手卒業生にも親しみやすい企画が多く、気軽に足を運びやすいイベントとしてホームカミングデーを開催しました。また、大学学長・中高の校長・幼稚園の園長といった各リーダーが登壇する鼎談企画や、在学生のクラブ活動への支援として、現役選手が使用していた品物を出品するオークションなど、他大学にはない桜美林大学独自の企画も特徴的でした。5-2. 慶應連合三田会https://2022.rengomitakai.jp/三田会の規模の大きさは周知の事実であり、参加者数も公表されている中ではトップクラスでした。参加者数を多く獲得できた要因に三田会の規模の大きさも起因していますが、企画の面でも魅力的なコンテンツを多く開催しています。講演会や演奏会などは卒業生の多さ・層の厚さを活かし、医療関係からコンサート、人気ラーメン店の店長のトークイベントなどバラエティ豊かな企画を行っており、校友会が持っている強みを存分に活かした結果の参加者数といえるでしょう。また、子ども向けのイベントも多く開催しており、親子で参加できるイベントになっている点も参加者層の拡大に寄与しています。5-3. 上智大学ソフィア会https://sophiakai.net/asf2022/上智大学ソフィア会では例年「All Sophians' Festival (ASF)」と題して、校友会のASF実行委員会と在学生の学園祭実行委員会が協力し合う形でイベントを企画・運営しています。名前のとおり幅広い層に向けた企画を行っており、婚活イベントや物産展、チャリティオークションなど、多種多様な層に向けた企画を開催しました。ASF実行委員会の方に直接お話をうかがった記事もありますので、詳しくはこちらも併せてご覧ください。>他大学に先駆けたイベントを続々実施。ASF運営の実態と組織づくりに迫る5-4. 東京大学https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/hcd/index.html企画コンテンツ数や配信方法の多さもさることながら、研究や実験内容の発表講演会など大学の色を押し出した企画や、「東大ママ門オンラインイベント」と題し、子育て中のお母さん世代の卒業生に向けた企画も用意したりと、幅広い層に対応した企画を開催しました。また、特筆すべきもう1つの特徴として、「寄付金」をテーマにした企画にも力を入れています。総長と2ショット! 東大基金フォトブース展示とガチャで知る東大と東大基金東大卒「母校にお世話になってない」ってそれホント!? ~東大卒ブランドは「寄付」で守る!~オンライントーク「慶應卒の成田修造が東大に寄付した理由とは!?」 遺贈寄付トークライブ 未来へ想いを託す 東京大学への遺贈寄付大学側から積極的に寄付金にまつわるイベントを行うことは少数ですが、東京大学では寄付に関する講演会から、ガチャガチャなどのカジュアルな企画まで、多種多様な企画と絡めることで寄付の重要性の周知・認知拡大を積極的に図っています。6. 来年度以降の展望22年度では、ハイブリッド型開催の数が増加し、徐々にオンラインコンテンツのノウハウが蓄積されてきたことが感じられる年でした。では、来年度の23年度以降はどのようなホームカミングデーが行われるのでしょうか。弊社の考える、来年度以降の展望をご紹介します。6-1. アーカイブ・イベント当日のダイジェスト映像の有効活用「対面開催×当日の様子をアーカイブ配信」という開催方法は、中長期的にホームカミングデーというコンテンツを世に残すことができる方法として、今後定着していくと予想されます。ホームカミングデーはその名称の通り、対面で母校に帰ってきてもらうことが前提となりますが、オンラインコンテンツには、遠方の卒業生にも届けられることのほかに重要なメリットがあります。「対面開催×当日の様子をアーカイブ配信」の場合であれば、収録したアーカイブ映像を編集してダイジェストにすることで、次年度に向けた広報として活用することが可能です。ダイジェスト映像を魅力的に作り上げ、次年度のホームカミングデーの広報に利用することで、イベントに対するイメージがより明確化され、前年度には参加しなかった・できなかった卒業生にも「行けばよかった!」「来年は行ってみよう」と思わせることがポイントです。また、オンラインコンテンツに割くリソースが足りていない大学にとっても、ダイジェスト映像の制作は1からコンテンツを制作するのに比べてハードルが低く、取り入れやすいオンラインコンテンツといえます。今後、「対面開催×生配信」の開催方法は、すべての大学が取る方法ではなく、リソースのある大学、または遠方や海外の卒業生との繋がりの優先度がかなり高い大学だけが活用していく方法となっていくのではないでしょうか。6-2. 卒業生同士の交流はどうなっていくかホームカミングデーは本来、1人で何かを観に行くイベントというよりも、旧友や恩師と交流したり、新しい友人と出会い、交流の輪が広がっていくことが最大のコンテンツともいえます。海外ではアメリカンフットボールなどのスポーツを卒業生みんなで応援に行くのがホームカミングデーのメイン企画になっているケースもあり、スポーツに強みのある大学はこの傾向に則ることで、卒業生同士の輪を広げていくことも可能でしょう。また、筑波大学などが行っている「卒業年次ごとに参加者を招待する」ケースや、慶應義塾大学が採用している「年次ごとにホームカミングデーの幹事を決める」方式などは、年次の近い同窓生と交流しやすくなり、参加率の面でも効果的に見受けられます。立命館大学のホームカミングデー「オール立命館校友の集い」で毎年開催されているオープンコミュニティというZoom交流会も、今まで届いていなかった層に大学のことを思い出してもらうきっかけとして良いのではないでしょうか。ホームカミングデーの対面型コンテンツをきっかけに再会した友人や恩師、または再結成されたコミュニティがオンラインで維持されていく、あるいはホームカミングデー前からオンラインで交流が先に始まるような、今までの文脈とは別の意味での「ハイブリッドな形の卒業生交流」が来年度以降、存在感を増していくと弊社は考えています。7. おわりにいかがだったでしょうか?Alumni Labs (アラムナイラボ) を運営する笑屋株式会社は、日本で1番ホームカミングデーを開催している企業です。・ホームカミングデーのニーズや事例を幅広く抑えたい。・ホームカミングデーの目的やゴールの見直しを検討している。・ホームカミングデーの企画がマンネリ化している。など、お困りのことやホームカミングデーの情報収集は、ぜひ下記の資料もご覧ください。ホームカミングデー独自調査レポート&成功事例4選また、イベント以外にも、卒業生ネットワークの活性化や寄付金集め、校友組織のDXなど、校友領域のことは何でもお気軽にご相談ください。Alumni Labs 相談・問い合わせフォーム