近年、大学での研究を活かした「大学発ベンチャー・大学発スタートアップ」や、大学在学中に起業する「学生起業家」など、大学に関連した起業の取り組みが活発化しています。この記事では、日本全国の大学における起業支援コミュニティ・プログラムを網羅的にまとめると共に、早稲田大学「ベンチャー稲門会」やスタートアップ育成プロジェクト「Tongali」など、注目すべき起業支援コミュニティ・プログラムについて事例を紹介しながら、これからの「大学×起業」の動向を予測していきます。<目次>1. 大学起業の現状近年、大学に関連した起業が注目を浴びています。大学発ベンチャー・スタートアップの動向や政府の意向など、様々な切り口から「大学×起業」の現状を見ていきましょう。1-1. 大学発スタートアップ・ベンチャーの数は増加傾向大学発スタートアップ・ベンチャーとは、簡単に説明すると、大学が持つ研究成果やノウハウを活かしている、または、大学と深い関わりのあるスタートアップ・ベンチャー企業を指します。またこの言葉は、経済産業省によって明確に定義されています。引用:経済産業省「大学発ベンチャー数の推移」近年、大学発ベンチャー企業は増加し続けています。2021年度の調査によると、大学発ベンチャーは3,306社でした。2020年度で確認された2,905社から401社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高となっています。1-2. 大学の起業支援コミュニティ・プログラムが活発になっている現在、大学関連の起業に対してサポートする施策が活発になってきています。起業支援施策には、起業を考える人にとって以下のようなメリットがあります。事業において重要な「人的ネットワーク」ができる起業関連のコミュニティでは、様々な人と繋がって交流することで、新たな知識やノウハウを得る可能性が高まります。また、事業をスタートするにあたっての仲間作りにおいても有効です。事業について有識者に相談できる事業を立ち上げるには、多くのアドバイスやフィードバックが必要です。起業関連コミュニティやプログラムの中には、ビジネスに成功している人やメンターなどからアドバイスを得ることができるものもあります。資金面で支援を受ける事ができる起業を支援するファンドなどでは、ビジネスに対して出資してもらえます。ファンドには、特定の大学の卒業生のみを支援するようなものもあります。また近年、起業のためのコミュニティが活発になっています。引用:株式会社ガイアックス「全国起業マップ」株式会社ガイアックスの全国起業部マップによると、2018年から2022年の間で、起業部・サークルの数は2倍以上に増加しています。学生の間でも、起業への関心が高まっているといえます。1-3. 起業に関する政府の動向経済産業省は、2022年を「スタートアップ創出元年」と定め、各種政策を推進する方針を示しています。引用:経済産業省「スタートアップ育成に向けた政府の取り組み」実際に、スタートアップへの投資額を5年で10倍にすることを目標としています。さらに、その主要施策の1つとして、大学発スタートアップにおける経営人材確保支援が挙げられているのです。一方で、現状ではまだ海外と比較して起業の数、企業支援ともに遅れています。引用:経済産業省「開業率の国際比較」経済産業省によると、日本の開業率は諸外国と比較して非常に低い水準です。日本では、失敗に対する危惧など、様々な理由があり起業する人は少ないのです。また日本は、海外と比較してスタートアップへの支援が遅れていることも分かっています。特に、大学・研究機関のGAPファンド数は米国の5分の1であり、大学発スタートアップへの支援が十分とはいえないでしょう。GAPファンドとは、事業化に向けて、研究機関に属する研究成果と事業化との間のギャップを埋めるための資金です。1-4. 大学発スタートアップ・ベンチャーの支援が重要になっているこれまでの話から分かるように、起業をしたいと考える学生は年々増加しており、また、政府も大学発スタートアップ・ベンチャーに対して支援を強化することを示しています。このことから、大学起業はこれまで以上に注目されてきているといえます。しかし、海外と比較するとまだまだ起業支援コミュニティ・プログラムは遅れている現状があります。それを踏まえると、これからの日本は大学の起業支援施策をより進めていくことが重要になるでしょう。2. 【2023年3月版】大学の起業支援コミュニティ・プログラムまとめ近年、大学の起業支援コミュニティ・プログラムは多様化し、またその数自体も増加しています。ここでは、2023年3月時点での各大学における起業支援コミュニティ・プログラムを、表にまとめてご紹介します。2-1. 起業支援コミュニティ・プログラムは多様化している近年、大学における起業支援コミュニティ・プログラムは多様化しており、起業部・起業サークルなどユニークな活動も見られるようになりました。また、大学関連の起業を支援するファンドや起業のための教育プログラムも多様化しています。起業部・起業サークルとは、学生が主体となって、起業に興味を持つ学生が集まったコミュニティのことです。勉強会・交流会やビジネスピッチコンテストなど、起業に関する活動をしており、社会人や起業家との繋がりがあるコミュニティもあるようです。大学の起業ファンドは、自大学の起業家を主に資金面で支援するためのファンドです。ファンドによっては、大学が100%出資して起業をサポートするものもあります。2-2. 国立大学の起業支援コミュニティ・プログラムまとめここでは、国立大学の学生数TOP20校に加え、起業支援への取り組みに積極的な3校を対象に、起業支援コミュニティ・プログラムをまとめます。※表は横にスクロールできます大学名学生数起業部・サークル学内ファンド複数大学連携ファンド・プログラムその他プログラム・コミュニティ大阪公立大学16,000・起業部・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・ia-WS イノベーションアカデミープログラム・EDGEプログラム(Fledge)・Honaikude大阪大学14,890・起業部「BTC」・OUVCファンド・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・Innovators’ Club東京大学13,962・起業サークル「TNK」・起業サークル「Axis」・東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)・東大創業者の会ファンド・UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)・1stRound・GITE・Found・Business Contest KING京都大学12,956・起業部・ビジネスサークル「TPEC」・京都大学イノベーションキャピタル(京都iCAP)・京都エンジェルファンド・京大ベンチャーファンド・みやこ京大イノベーション・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」九州大学11,632・起業部「QUSIS」・九大起業同好会・Web3コミュニティ「Crypto9」・QBキャピタル・九大ギャップファンド・1stRound・PARKS・F Ventures「スタートアップ投資部」神戸大学11,493・起業部・神戸大学ファンド・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・1stRound・神戸大学イノベーション・大学コンソーシアムひょうご神戸北海道大学11,455・起業部・1stRound・HSFC・起業家支援拠点東北大学10,629・起業部「VEX」・東北大学ベンチャーパートナーズ・みちのくGAPファンド・東北大学スタートアップ事業化センター・東北大学スタートアップアルムナイ・東北大学スタートアップガレージ広島大学10,603・起業部「1st Penguin Club」・広島大学、広島県内大学発ベンチャー支援投資事業有限責任組合・GAPファンドプログラム「PSI」千葉大学10,381・起業サークル「CSC」・千葉大学IMO岡山大学10,084・起業部・GAPファンドプログラム「PSI」・岡山大学発ベンチャー企業支援機構新潟大学9,992・みちのくGAPファンド・伊藤龍史研究室筑波大学9,840・GTIE GAPファンド・1stRound・筑波クリエイティブ・キャンプ名古屋大学9,525・起業部・Tongali・1stRound・モノづくりベンチャー活動支援金信州大学8,804・ベンチャー支援グループ・信州ベンチャーコンテスト鹿児島大学8,655・鹿大スタートアップサークル・PARKS・鹿児島大学南九州・南西諸島域イノベーションセンター山口大学8,546・Fun Fun Drive ファンド・PARKS・ベンチャー企業支援室・「志」イノベーション道場静岡大学8,473・Tongaliしずはま起業部・静大ファンド富山大学7,930・起業サークル「スティーブ・ジョ部」・インキュベータ交流事業「みんな起業家、集まらんまいけ!」・産学交流振興会 ビジネスプランコンテスト愛媛大学7,924・えひめ学生起業塾・いよぎん愛媛大学発ベンチャー応援ファンド・GAPファンドプログラム「PSI」・愛媛大学起業家育成プログラム横浜国立大学7,160・ビジネスサークル「NoN」・成長戦略教育研究センター・株式会社ケイエスピーとの’連携協定東京工業大学4,776・起業部・みらい創造ファンド・イノベーションデザイン機構・GITE・ビジネスプランコンテスト「THIS」・Attic Lab・アントレプレナーシップ育成プログラム一橋大学4,341・起業部・1stRound・如水ベンチャーズ・ビジネスプランコンテスト「THIS」2-3. 私立大学の起業支援コミュニティ・プログラムまとめここでは、私立大学の学生数TOP20に加え、起業支援への取り組みに積極的な2校を対象に、起業支援コミュニティ・プログラムをまとめます。※表は横にスクロールできます大学名学生数起業部・サークル学内ファンド複数大学連携ファンド・プログラムその他プログラム・コミュニティ日本大学74,112・Entre-to-be早稲田大学37,921・スタートアップサークル「Wit」・起業サークル「NEW」・Web3研究会・NFT同好会・早稲田大学ベンチャーズ・PoC Fund Program・ウエルインベストメント・1stRound・GITE・ベンチャー稲門会・ビジネススクール「長谷川ゼミ」・アントレプレナーシップセンター近畿大学34,156・KINCUBA(キンキュバ)・リエゾンセンター・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・起業家育成事業 「OKonomi」立命館大学33,094・起業部・Web3研究会・立命館ソーシャルインパクトファンド「RSIF」・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・1stRound・RIMIX明治大学31,515・起業サークル「MEC」・明治大学起業家紫紺会・明治ビジネスチャレンジ東洋大学31,023・「東洋大学の起業家とアントレプレナーシップ」講座慶應義塾大学28,641・KBC(Keio Business Community)・学生団体「Front Runner」・イノベーション推進本部・慶応イノベーション・イニシアティブ(KII)・SFCフォーラムファンド・1stRound・三田会・K-mic・慶應版 EIR(客員起業家)モデル・2040独立自尊プロジェクト「KGRI」・慶應藤沢イノベーションビレッジ関西大学27,852・起業部「スタートアッ部」・ベンチャー育成プラットフォーム「KU+UP」・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・HACK-Academy・Mission Lounge東海大学27,608法政大学27,141・SIC教育プログラム中央大学25,972・CNBC・ソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラム・ベンチャービジネスプロジェクト同志社大学25,870・同志社ベンチャートレイン(DVT)・けいはんなRC事業・インキュベーション施設「D-egg」・同志社大学産官学連携支援ネットワーク関西学院大学23,879・KG NEXT STAGE・KGi・IPOアントレプレナー100人創出プロジェクト・京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」・大学コンソーシアムひょうご神戸帝京大学21,765・起業サークル「スタートアップ」・KITT-1号ファンド・ビジネスアイデアコンテスト・産学連携推進センター「TTTC」龍谷大学19,896・ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター(YSBRC)・龍谷エクステンションセンター・龍起業塾立教大学19,100・起業部・大学院ビジネスデザイン研究科青山学院大学18,991・青山ビジネススクール「ABS」・青学コンサルティンググループ株式会社・青山学院ヒューマン・イノベーション・コンサルティング株式会社福岡大学18,711・学生ベンチャー育成プログラム・PARKS・ベンチャー起業論 阿比留ゼミ・F Ventures「スタートアップ投資部」神奈川大学17,354・Web3研究会・チェンジメーカーズコミュニティ「CMC」・起業サークル「Wide Connection」・イノベーション塾・YOXOアントレプレナー育成プログラム東京理科大学15,840・起業部・ベンチャーエコシステム「TUSIDE」・PoC支援助成金・大学発ベンチャー・”リスキル×アドオン”プログラム・インキュベーション施設上智大学11,369・起業サークル「Sophia Start-up Club」・タイオンラインインターンシップ「起業家・リーダーシップ養成プログラム」武蔵野大学9,872・アントレプレナーシップ学部・アントレプレナーシップ研究所2-4. ほとんどの大学が起業支援コミュニティ・プログラムに取り組んでいる表から、国立・私立に関わらずほとんどの有名な大学において、起業を支援する施策が行われているという結果が得られました。ほとんどの大学は起業ファンドを持ち、部活動やサークル活動も行われています。また、立命館大学RIMIX、東大ICP、東北大学ベンチャーパートナーズなど、大学によっては100%大学が出資しているファンドもあり、大学発スタートアップの創出に向け、多額の資金が使われるようになっています。2-5. 現在、起業支援コミュニティ・プログラムが急激に活発になっている表に示したような起業支援コミュニティ・プログラムは、最近になって特に増加しています。起業ファンドに関しては、神戸大学民間出資ファンド(2023年)、早稲田大学MUV第1号ファンド(2022年)、東京大学ファンド(2021年)などが、その代表的な例です。また、起業部・起業サークルに関しても、最近になって急激に増加しています。実際に、名大・神戸大・岡山大起業部や、関西学院大学「KGi」、近畿大学「キンキュバ」、千葉大学「CHIBA STARTUP COMMUNICATION」などは全て2022年に設立されたもので、学生の起業への意識は高まっているといえるでしょう。3. 注目すべき起業支援コミュニティ・プログラム起業支援コミュニティ・プログラムは、実はほとんどの大学で提供されており、近年はユニークな施策も行われるようになってきています。ここでは、大学の特徴を活かした施策や前例のないユニークな施策など、注目すべき起業支援コミュニティ・プログラムを紹介していきます。3-1. 1校単独による注目施策ここでは、大学が1校単独で提供している起業支援コミュニティ・プログラムをご紹介します。3-1-1. 早稲田大学ベンチャー稲門会早稲田大学ベンチャー稲門会早稲田大学ベンチャー稲門会は、2014年1月に発足した起業コミュニティです。入会資格があるのは代表取締役、かつ創業メンバーのみであり、企業PRの機会や経営者同士の交流の場を提供しています。特徴的な点はなんといっても、規模の大きさです。日本を代表する企業の方も多く在籍しており、幅広いコネクションを獲得できるのは非常に魅力的です。3-1-2. 立命館大学起業ファンドRIMIX立命館大学 RIMIX2019年に誕生した社会起業家支援プラットフォームRIMIX(Ritsumeikan Impact-Makers Inter X Platform)は、起業支援をワンストップで行うコミュニティです。注目すべきは、小学校から大学院まで全学で取り組んでいる点です。小学生の段階から社会課題に触れるプログラムを提供することで、起業家マインドを養っていく、とのことです。また、企業との連携体制や学内ファンドなど、起業までワンストップで支援できるのも特徴です。RIMIXは、小学生から大学院生まで学生を抱えている立命館ならではのコミュニティといえます。3-1-3. 上智大学起業サークル「Sophia Start-up Club」上智大学 「Sophia Start-up Club」2021年春にコロナ禍で結成され、現在では100名を超えるサークルとなった「Sophia Start-up Club」です。起業に興味を持つ学生が集まって勉強会や交流会を実施しており、起業家や社会人との交流も行っているとのことです。コロナ禍で、学生の起業意識やコミュニティへの帰属意識が高まっているのかもしれません。3-1-4. 情報経営イノベーション専門職大学「iU」情報経営イノベーション専門職大学「iU」こちらは、「在学中に全学生が起業にチャレンジ」を目標に、2021年に設立された専門職大学です。「大学4年間という時間は、何度でもチャレンジできる絶好のチャンス」という考えのもと、学生が学びながら起業にチャレンジできる体制を整えています。起業経験者の教職員によるサポートや、成果によっては出資を受けることのできるビジネスピッチなど、画期的な取り組みを行っています。3-2. 複数の大学を跨いだ注目施策起業支援コミュニティ・プログラムは、大学内だけでなく、大学の垣根を越えて提供され始めています。ここでは、複数の大学や地域などで連携して提供されている起業支援コミュニティ・プログラムをご紹介します。3-2-1. 東海地区5大学スタートアップ育成プロジェクト「Tongali」起業支援プログラム「Tongali」Tongaliは、東海地区を拠点とするイノベーティブな新規事業を生み出す、トンガった人材を育成するためのプロジェクトです。このプロジェクトは名古屋大学・岐阜大学・三重大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学の東海5大学が協働で運営しており、各大学の得意分野の融合が期待されています。3-2-2. 京阪神スタートアップアカデミア・コアリション「KSAC」京阪神スタートアップアカデミア・コアリション「KSAC」内閣府は、スタートアップ・エコシステム拠点都市のグローバル拠点都市として、京阪神エリアを選定しています。この京阪神エリアにてスタートアップ創出を目指す取り組みが「KSAC」です。その特徴は、「産学官金」から手厚くサポートを受けられる点。大学・産業界・金融機関・自治体が一体となって人材育成を行い、世界に挑戦する大学発スタートアップを創出する、とのことです。3-2-3. 本田圭佑が設立した学生起業家向けファンド「KSK Mafia」本田圭佑による学生ファンド「KSK Mafia」サッカーW杯でも活躍した本田圭佑氏が、世界中から選ばれた学生投資家と共に、世界最高峰の学生起業家に出資する投資ファンド「KSK Mafia」を設立しました。KSK Mafiaは、投資ファンドであると同時に、世界最高峰の学生が集まるコミュニティとのことです。「学生こそ世界を変える」と本田氏が考えるように、学生起業家の育成は重要度を増しているといえます。4. 大学×起業のこれからこれまでも大学発スタートアップ・ベンチャーは重要であると言われてきましたが、最近になってより一層、注目を浴びてきています。そんな「大学×起業」は、これからどのように変化していくのでしょうか。4-1. 今後も、起業支援コミュニティ・プログラムに対するニーズは大きくなる日本政府は、2022年を「スタートアップ創出元年」と定め、日本でのスタートアップの起業や規模拡大を目指した「スタートアップ育成5ヵ年計画」を立てています。この政策をみても、豊富な技術やコミュニティを持つ大学は、起業家を育成する上で重要な場所であり続けるといえます。また近年、ITやAIの発達などにより起業のハードルが低くなっています。加えて終身雇用制が崩壊し、今は安定していても将来の予測ができない時代になっており、起業して自立したいと考える学生も増えていくといえるでしょう。このような背景から、起業支援コミュニティ・プログラムに対するニーズはこれからも大きくなっていくといえるでしょう。4-2. 中・小規模の大学でも、起業支援コミュニティ・プログラムを提供できるようにこれまでは、起業支援コミュニティ・プログラムは有名大学だけが取り組んでいた状況がありました。しかし、最近になって、複数の大学が連携して起業支援コミュニティ・プログラムを提供する事例が増えています。実際に、スタートアップ育成プロジェクト「Tongali」では東海地区5大学が連携して起業家を育成しています。その他にも、京阪神スタートアップ「アカデミア・コアリション」など、複数の大学での連携は強化されてきています。このように、大学や地域が連携した起業支援コミュニティ・プログラムは、競争力の高いスタートアップを創出する上で重要だと考えられています。この傾向が続けば、中・小規模の大学でも起業支援コミュニティ・プログラムを提供できるようになるでしょう。5. まとめ今回は、日本の有名大学における起業支援コミュニティ・プログラムを表にまとめてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?大学による起業の支援策は依然として遅れているのが実情ですが、徐々にその取り組みも強化され始めています。これから、学生の起業への意識も高まり、今まで以上に起業コミュニティなどの活動も活発になるでしょう。学生にとって大学は、起業する上でも貴重なコミュニティの1つです。皆様の大学が提供する起業支援コミュニティ・プログラムについて、今一度見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。Alumni Labs (アラムナイラボ) を運営する笑屋株式会社は、校友領域の課題解決を専門で行う企業です。卒業生ネットワークの活性化や寄付金集め、イベント企画・運営など、校友領域のことは何でもお気軽にご相談ください。Alumni Labs 相談・問い合わせフォーム